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最後の決め方 [治療について]

自分の最後は、自分で決めたい。
私はそう思う。
みんな、どう思っているんだろう。

先日、入院中の97歳のおばあさんが、
心不全を起こして具合が悪くなって、
その時に「もういい、死にたい」
と言われてしまいました。
ご飯も食べられなくなって、とても苦しかったんだと思います。
自分の首を切るしぐさを、何度も繰り返していらっしゃいました。

見ていて、とても切なくて。
家族は、入院時には
「母とはよく話していて、延命はしないことにしているんです。」
とおっしゃっていたのですが、
いざ、このような場面になると、
やっぱり延命処置にあたることをご希望されていました。
結局、このおばあさんは、入院時くらいまでは元気になりましたが、
食事の摂取量が増えなくて、
これから先、どうするのかな、という感じになっています。

よくなったのは、よかったと思います。
でも、本人は、それでよかったのかな。


アメリカでは、もうよくならないと判断された場合、
すべての積極的医療を中止することがあるといいます。
治る可能性がない、がんのターミナルなどでは、
本人と家族の同意があれば、安楽死を選択することができるとも言います。
日本では、安楽死をさせた医者は殺人罪で有罪になりました。

安楽死については、議論があると思います。
どうしたいのか、それは人によります。
消極的安楽死も、積極的安楽死も、
日本では選択できるものではありません。

そうすると、結局は本人の意思に関係のない治療をされることもある。
家族の想いの通りに治療されることもある。
そればかりではなくて、
本人の希望する治療が施されないこともある。

治療って、難しいですね。
本当に、みんなが幸せになる治療って、できるのでしょうか。
みんなが、最後に何を求めているか、
どんなふうに最期を迎えたいか。
そんなことばかり、最近は考えています。
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ぱぱになったみけ

penpenさん、また難しい問題ですね。(^-^;
僕は治療を選択する時から、家族みんなが納得できるかを加えています。僕の命は、僕だけのものではないですから。残された人が後悔するような選択は、除外すべきものだと思ってます。

ところでpenpenさん、ちょっと頑張り過ぎじゃないですか?ちゃんとご自分を評価してあげてますか?1日1回の回診でも、患者は安心させられます。ありがとうって言われますよね。そのありがとうの思いを汲み取って下さいね。
by ぱぱになったみけ (2011-11-09 15:55) 

penpen

>ぱぱになったみけ様

コメント、ありがとうございます。
そうですよね、自分の命が自分だけのものと思ってはいけない、
そこから始まるのですよね。
自分と家族と、本当にみんなが幸せに生きられる医療が提供できたらな、
と思います。

みんなの笑顔が見たくて。
みんなが笑顔になれるような、そんな病院を作りたい。
私が患者さんに何かしてあげている、というよりも、
患者さんの笑顔が、私に力をくれているように思っています。
いつも、私を支えてくれる患者さんやスタッフに、とっても感謝です。
by penpen (2011-11-09 22:06) 

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