SSブログ

人を信じる、自分を信じる [病気とココロ]

長年通院している患者さんが、
楽になろうとして、睡眠薬を10錠飲んでしまった、と告白しました。
死のうと思ったわけではなく、
ただ、眠れないからといって、薬を追加していたら、
10錠になってしまった、といわれました。

どうしてそんなことになったのか、訳を聞くと、
今まで一度も欠かしたことのなかった、義母さんの通院に、
今回初めて、起き上がれなくて行かれなかった、ということで、
罪悪感を感じていた、というのです。

義母さんのお世話をしないと、夫に怒られる、
夫に見捨てられる。
子供がいなくても、義母さんのお世話をしていれば、
夫に見捨てられずにすむ、と考えていたようです。

子供が作れなかった罪悪感と、夫や夫の家族から見捨てられたらどうしよう、という
間違った恐怖感で、いつも緊張していた彼女。
義母さんが入院すれば、毎日病院通いをして、
実の娘よりもまめまめしくお世話をしていたのに、
それでも足りない気がして、見捨てられるのではないか、と
いつも不安に思っていたようです。
夫の家族の中で、自分だけがよそ者で、血がつながっていないから、
自分は受け入れられていないような気がしていたそうです。

彼女の周りには、いいお友達がいるのに、
彼女は、自分が消えて無くなりたい、と言う思いに駆られていて、
先週、自殺を考えるような発言をしていました。
今回までの宿題で、1日1回自分のことを褒めてきなさい、というと、
その話をお友達にしたら、そのお友達が代わりに褒めてくれたそうです。

意味ないじゃない!!!!!
と、怒ってしまいました。

また、薬を余計に飲んでしまったときも、
神戸にいるお友達(看護師さんだそうです。)にメールして、
慰めてもらったそうです。
彼女は、飲んでしまった薬(睡眠薬)の残りを持ってきました。
そして、預かってくれ、といわれました。
持っていると、また飲んでしまうかもしれないから、と。

今日、彼女と話をしていて、
今まで、自分は何をしてきたんだろう、と、反省。
まず、彼女に、どうして彼女自身が大事なのかを気づかせなかったところが
失敗のひとつ。
そして、自分を大事にすることは、人をも大事にするんだ、ということを
はっきり伝えなかった(何回かお話ししたと思うのですが)こと、
自分の周りにいる人たちをもっと信じなさい、ということ。
これをもっと強調するべきだったかな。

また、自分を信じて、自分の足で立つ、ということ。

伝え不足だったのかな、と、ちょっと悲しくなりました。

今回は大事には至りませんでした。
でも、一歩間違えたら、大変なことになっていました。

自分を大事にする、ということは、
何回もお伝えしています。
その自分は、どこから来たのでしょう?
自然に発生してきたものではないですね。
身体は両親からいただいたものです。
自分を大事にする、ということは、両親を大事にすることにつながります。
それは、他の人を大事にすることにつながるんです。

今回、気になったのは、見捨てられるのではないか、という不安。
それは、根本的に他人を信用していない証拠。
もっと、よく自分の周りを見てほしかった。
ことあるごとに、家族の集まりをしたとき、自分が受け入れられていなかったかどうか、
もっと考えてほしかった。
もっと、家族を信用してほしかった。

信じる、ということは、常に双方向へ作用します。
自分が人を信じれば、人も信じてくれます。
自分を信じれば、人のことも信じることができる。

みんながみんなを信じ、みんなが自分自身を信じることができれば、
きっととても平和な世の中になるのではないか、と思います。
きっと、ストレスも軽くなるでしょう。

自信を持ち、人を信用できる、そんな人格形成をめざしていきたい、
そう思う一日でした。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

私の元気トンネルを抜けると… ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。