SSブログ
治療について ブログトップ
- | 次の10件

シャーン、シャーン [治療について]

抗うつ薬を止めると、頭の中でしゃんしゃん鳴る、と言うことをよく聞きます。
実際、結構多量の抗うつ薬を長期間内服していると、急激に減少させるときに
頭の中で音が鳴るとか、頭痛がするとか、言われています。
特に、パキシルという抗うつ薬を離脱するとき、そのような症状を感じやすいようです。
多くの場合、数日でおさまるらしいのですが、結構気持ち悪いとか。
人によっては「つわりの時みたい」なんて言う方もいらっしゃいました。

結局は薬の離脱症状なので、ある程度からだがなれるまで仕方が無いと思うのですが、
減らし方でその症状を軽減できるようです。
無理しないで少しずつ減少させれば、症状は出にくいみたいですね。
私は結構恐がりなので、薬の減量速度の指導がゆっくりな方だと思います。
それでも、減量の方向に向き続けていれば、問題はなさそうですね。
皆さん、無事に薬から離脱しています。

実は、私もしばらく抗うつ薬を内服していました。
副作用のために、本当に少量しか内服できなかったため、本当に効いているのかははっきりしません。
今は、約1ヶ月前にちょっとした理由で内服を止めました。
それもあってか、最近すごく不安定なのですが、
ここ1週間は、頭の横が後ろから下へシューッと引っ張られるような感じがしたり、
シャーシャーという音が感じられたり(聞こえるのではないんです。感じるんです)
血の気が引くような感じがしたり、なんかおかしい症状を感じています。
薬の離脱症状にしては、期間が経ちすぎているな、と思ったり。

いまも、何となく、耳がかさかさ言っています。

今、胃の調子も悪いので、もしかして出血しているのかな、
なんて思ったり。
心気神経症のようです…

めまいもしていて、この状態で仕事に行くのは、
かなりしんどいですが、仕事ですから、お休みできません。
代わりのいない仕事は、自分が必要とされている気がして
それなりにやりがいはあるのですが、
体調が悪いときは、休むことができないので、
本当につらいです。
つらいからと言って、休める仕事なんて、そうそう無いでしょうけど。

とにかく、日々ちょっといやな感じがする、今日この頃です。

治療の段階 [治療について]

治療は、患者さんとの合意の基、進めていきます。
使う薬、期間、使い方、すべて患者さんと相談しながら進めます。
ただし、今必要である治療法について、いくつか提案させていただきながら、
その中で治療を選択していきます。

まず、患者さんに
「どういう目標で治療しますか」
という点を明確にしてもらいます。
結局、どれだけ良くなりたいのか、なりたくないのか。
それがとても大切です。

ストレスによる病気、と考えられる場合、
そのストレスを回避し、神経を休ませてあげる期間が必要です。
その間は、休むことが主体なので、
あまり色々言わないようにしています。
薬は、この時期に開始するものが多いので、
それぞれの長所、短所を明確にして、
何を使用するかを選択します。

薬の効果が安定し、休養もとれてくると、回復期から安定期に入っていきます。
この間は、少し症状が不安定になることもあるので、
その症状に応じた診察計画を立てます。
症状が回復して、安定してくれば、その状態をキープしていきます。
約6ヶ月そのままの状態をキープします。
この間は、薬をしっかり飲んでいただきながら、
経過観察を行います。

また、この期間は、セルフコントロールを習得する時期でもあると思います。
少しずつ、どうすれば自分が楽に、気持ちよく過ごすことができるか、
検討を加えていきます。
そして、不安になったとき、イライラしたときの対処法を自分なりに覚えます。

6ヶ月安定していれば、いよいよ薬を終了していきます。
まずは、安定剤から。だいたいの場合、この頃までに安定剤は必要なくなっています。
そして、抗うつ薬。
薬が終了し、症状の悪化が認められなければ、治療は終了です。

おそらく、このような段階を踏むのは私だけではなく、
多くの医師がこのようにしていることと思います。
治療の段階によって、外に向けての活動も加えていきます。
緊張の負荷も、必要になります。
緊張から、いつまでも逃げていてはいけません。
対峙してやり過ごすことを考えます。

結局、段階を踏んでいかなければ、
なかなか良くなりません。
一気に良くなることもないし、
逆にこれ以上の細かい段階を設定する必要もないと思います。
進み方は個人差が大きいので、治療期間がどのくらい必要か
はっきりした期間を申し上げることはできませんが、
いずれ、治療は終わります。
治療をスムーズにおわらせるためにも、
それぞれの段階で、患者さんにも努力してもらうことがいっぱいあります。

一緒にがんばっていただけたら、きっと治ると信じています。

安定剤の使い方 [治療について]

眠れない、すぐに不安になる、いらいらする、などという症状を聞くと、
結構安易に安定剤が処方されます。
確かに、即効性はあるし、効果覿面なので、
どうしても出したくなるし、使いたくなる。
でも、一方で、患者さんの中からは、
「こんな薬使っていて、大丈夫なの?」という疑問も聞こえてきます。

安定剤も使い様だ、ということは、以前にも書きましたが、
その使い方を詳しくお話ししないまま、薬を処方している医者が多いのも現実です。
不安になりながら、抗不安薬=安定剤を内服するのは、
矛盾していると思いませんか?
できることなら、納得した上で安定剤を正しく使用するのがいいのですが、
現在の診療体制では、そこまで望むのは難しいのでしょうか。

私は、患者さんと面談するとき、薬についても説明をかなりしつこくしています。
それは、患者さんが自分がどんな薬を使って、どんな治療をするのか
ある程度理解していただいてから、納得、同意を得た上で治療をしたいからです。
そうでないと、せっかく出した薬も、効果が半減してしまいます。
安心するために薬を出しているのに、
かえって不安にしてしまっては、治療にならないからです。
薬の効果を最大限出すためには、薬を使うことに納得していただく必要があると
私は思っています。
お互いに、薬を使うことに同意をして、薬を信用していただかないと
せっかく治療していても、良くならない、ということが生じてきます。

薬は、必ずしも身体にいいものではないのはわかっていますが、
必要な時期、というのはあります。
風邪を引けば、風邪薬を使って、症状を軽くしたいと思うでしょう?
安定剤も同じことで、いらいらや不安感が強いときには
薬が必要な時期だと認識していいと思います。
逆に、症状が取れてきて、薬を飲み忘れるようになってきたときには、
身体が「もう薬はいらないよ~」と言っているのと同じなので、
くすりのやめ時なのだと思います。

抗うつ薬は、ある程度やめ方等もこちらで指示した方が
リバウンドを起こしにくいと思いますが、
安定剤に関しては、患者さんのペースでやめていただけるものだと考えています。
自分の精神状態と相談しながら、無理のないペースでやめていく。
ただし、少しでもおかしいと思ったら、無理せずに薬を少量でも使用する。
失敗の無いように注意しながら、やめていく。
ここで言う失敗とは、パニックの発作だとか、いらいら感の発作だとかです。

薬で悩んでいらっしゃる方は多いと思います。
できることなら、納得いくまで主治医に説明を求めてみてはいかがでしょうか。

薬は大切です。安定剤も大切です。
使わなきゃいけないときは、しっかり使っていただきたいと思います。


ご意見等ありましたら、コメントいただけますとうれしいです。

薬物治療は必要? [治療について]

今日は、もう一つ。

治療の根本について、考えたいと思います。

そもそも、薬物治療は絶対必要なのか。
人によって、おそらく意見は様々です。
依存や肝機能障害、その他の副作用を考えれば、
必ずしも薬物治療が良いわけではない、ということはいわれます。
しかし、薬を出さないと、何で出してくれないんだ、というクレームがくることもある。
薬を使わない治療は、治療ではない、と考えている人も
きっと多いはずです。

私は、薬物治療がすべてではないと思っています。
薬物治療は、補助的手段であって、
本来は、患者さん自身が根本的に直す努力をすることが必要なのです。
患者さん自身の治癒力のサポートをするのが、
医師との面接(診察)であり、薬物であると思うのです。

患者さんの中には、薬を出してもらえれば安心、
薬がないと、不安、という方もいらっしゃいます。
そのような場合、やはり医師と治療についてよく話し合うべきです。
本当に、この薬が必要なのか、
自分の症状についての認識が本当に正しいのか、
生活面で改善すべき点について、正しく理解しているのか。
その他色々、よく話してみると良いと思います。

とっても忙しい医師にかかっている方は、
要領よく質問する必要があります。
それはなかなか難しいので、紙に書いて、質問を用意すると良いでしょう。

うつにしても、パニックにしても、自律神経失調にしても、
必ず薬を飲まなければいけないわけではないし、
薬を飲まないなら、飲まないなりの対処法で治療をすればいい。
確かに、抗うつ薬、安定剤は有効です。
でも、必要不可欠ではありません。

治療に必要不可欠なのは、
規則正しい生活です。
あなたは、できていますか?

睡眠薬を使うと、認知症になる!? [治療について]

まあ、そんなことはないと思われます。
全く関係ないでしょうかね。
なんで、そんなことがいわれるようになったのかな。
やっぱり、寝ぼけて訳わからない行動をとることがあったり、
寝過ぎてしまって、昼間もうとうとしたり、
そんなことがあるからでしょうか。

だから、眠れなくても睡眠薬は怖くて使わない、という方が
結構いらっしゃいます。
私としては、不眠なんていうものはその人の主観の問題なので、
薬は使っても使わなくてもいいと思っていますが、
眠れなくてつらい、と感じているのであれば、
少量でも使用した方が、健康のためであるとは思います。

また、糖尿病や高血圧などの慢性疾患に、
不眠症が関わっていることがあります。
このようなときには、疾患コントロールのために不眠の治療が必要になることがあります。
慢性疾患がある場合には、主治医の指示に従うべきです。

「薬が怖い」と思われる方は、
よく主治医と相談して、説明を受けてください。
薬局でも、薬の作用・副作用について、ちゃんと説明してくれます。

とにかく、納得のいく形で説明を受け、
納得した上で薬を使用することが必要です。

認知症には関係ないと思います。
認知症の人が、睡眠薬を使用されて、一日中寝ていれば、
認知症の進行は確実ですが、
正常な方が使用する分には、心配ないと思います。

安定剤とか、睡眠薬とか、癖になる?! [治療について]

まあ、はっきり言って、癖になります。
使い方によりますけど。
使い方、薬剤によっては癖になりません。

薬には、当然のように主作用・副作用があります。
主作用の発現の仕方によって、癖になるかならないか、
また、薬の使い方によって、癖になるかならないかが決まってきます。
飲めばすぐ効く薬というのは、だいたい癖になります。
これは、安定剤だけでなく、風邪薬や痛み止めでも同様のことがいえるようです。
ゆっくり効いてきて、ゆっくり効果が切れる薬は、癖になりにくいといわれています。
そう考えると、長期にわたって治療が必要な人が使うなら、
ゆっくり効いてきてゆっくり切れる薬の方が、癖にならなくて良いといえます。

早く効果が出てくる薬も、使用法を守っていただければ、
癖にならずに使用できます。
適当に使っていると、確実と言っていいほど癖になります。
ここに問題があると思います。

また、薬だけでなく、いろんなところで依存的な人は、
安定剤のみならず、どんな薬でも癖になる可能性があります。
そういう心当たりのある人は、薬でなく、人に頼るようにしましょう。
そうすれば、薬への依存は減少すると思います。

安定剤にしても、睡眠薬にしても、治療上必要なければ処方しません。
やっぱり、副作用よりも使用による利益が大きいと考えて処方するものです。
指示通りに使用することで、治療に非常にプラスになるものです。
できれば、癖になることを怖がらずに使用してほしいものです。

安定剤(抗不安薬)の使用 [治療について]

気分がいらいらするとき、なんだか泣きたくなったとき、
私も時々お世話になっています。

抗不安薬=安定剤

効果は抜群ですね。
効果の強弱はありますが、ほとんど100%の割合で効果あります。
飲めば、なんだかポワーっとしてきて、
気分が落ち着きます。
効き過ぎると、眠くなるのは、
安定剤が神経の働きを落ち着かせるからです。

抗不安薬にも、何種類も種類があります。
使い分けは、主に作用時間で考えますが、
場合によっては、その薬のもつ精神安定作用以外の効能を考慮することもあります。

うつ病、パニック障害、自律神経失調症のどれでも神経の過敏な反応には効果があります。
一時的に神経の働きを鎮め、安定感を感じさせます。
しかし、残念なことに神経の働きそのものを直す作用はありません。
それでも、ほとんどのケースで治療導入時には安定剤の使用を検討します。
そして、ほとんどの方に、短期間でも安定剤を処方することが多いです。

安定剤は、すぐに効果が発現するので、
非常に人気の高い薬剤のひとつです。
短時間でよく効く薬は、効いてくるのが実感でき、
効果が切れるのも実感できる、ということをよく耳にします。
長時間効いている薬は、なだらかに効果が発現し、なだらかに効果が減少する。
効いているのかいないのかわからない、なんていう人もいます。

時と場合によって使い分けますが、
もしも、薬を長期間使いたくない、という希望があるのなら、
短時間作用型の薬よりも、長時間作用型の薬を使った方がよいと思います。
ただし、何となく効いて何となく効果が切れるので、
効いているのかどうかよくわからないけど、
そういえば症状が減っている、という効果の発現をします。
短時間作用型のように、急に効いてきて急に切れるような薬は、
その切れ味の良さ故に癖になりやすいといわれています。

そうはいっても、処方する方は、患者さんの状態を見て処方するわけですので、
できるだけ服用については約束を守ってください。
大事な治療なので、あんまりいやがらないで使用していく必要はあります。

次回、安定剤が癖になるかどうか、とか
安定剤を飲んでいると呆けるのか、といった俗説について、
少し述べてみたいと思います。

薬物療法の必要性 [治療について]

パニック障害、軽症うつ病、自律神経失調症、その他のストレスから発生する病気の場合、
薬物治療を選択するのに非常に気を遣います。
特に、パニック障害や自律神経失調症など、
うつ病ではないけどうつ病に準じて治療をする必要があるものの場合、
抗うつ薬を最初から処方すると、必ずといっていいほど拒否反応を示してくれます。
「自分はうつではない!!」
という思いが強いのでしょうね。

最近の主流として、うつ病ではなくても積極的に抗うつ薬を使いましょう、
という傾向があります。
特に、自律神経失調症は、パニック障害と並んで、
かなり早期から抗うつ薬の適応症に含まれていました。
しかしながら、自律神経失調症の方は、
自分はうつではない、ということを主張して、
なかなか抗うつ薬を使用させてくれません。

なぜ、抗うつ薬を使うか、というと、
抗うつ薬には、神経に直接作用して、神経の働きそのものを整える作用があるのです。
自律神経の働きが弱っていたり、ゆがんでいたりする場合、
神経そのものの働きを整える必要があります。
このような薬を使用することで、神経の過度の興奮や、過度の鈍麻を調整するのです。

パニック障害や自律神経失調症の治療では、
抗不安薬(通称安定剤)が、今は一般的に用いられています。
確かに、一時的に神経が落ち着く(働きが鈍くなる)ので、
過敏に反応することは無くなりますから、楽になります。
しかし、安定剤の効果は一時的なもので、永続的なものではありません。
だから、癖になるのでしょう。

うつに対する薬剤は、近年本当に種類が増えました。
にもかかわらず、確かに副作用は存在しており、
人によっては副作用が元で継続できない場合もあります。
しかし、種類が増えたことで、選択の幅も増えています。

いろいろ抵抗はあるでしょうが、早期から症状にあった薬剤を使用することで、
つらい症状が続く期間は確実に短縮されます。
よく、主治医と相談して、自分に合った薬剤を探してもらうことが重要です。


薬物治療について、何回かに渡って書いてみようと思います。
自分が治療に当たって感じたことなど、一般的でないかもしれませんが、
少し述べてみたいと思います。
何かご意見等ありましたら、コメントしていただけますと幸いです。
- | 次の10件 治療について ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。