SSブログ

ターミナルケア [仕事のこと]

ターミナルケア、というと、一般的にはがんの終末期医療と思われているでしょう。
でも、老年期の、老衰の終末期も、一種のターミナルケア。
ターミナルケアにはいろいろな考え方があるので、
何が正しいか、判断に困ることもしばしばです。

ただし、苦痛を少なくして、QOL(生活の質)を高めること。
これだけは絶対に必要なことだと思います。
患者さんが何を求めているか、
家族がどう考えているか、
よく話し合うことから、ターミナルケアは始まると思います。


以前、訪問診療を担当していたことがあります。
訪問診療の対象者は、ほとんどが寝たきりのお年寄り。
当然、そこにターミナルケアの考え方が発生してきます。
対象の方には、多くの場合、訪問看護師がかかわっているので、
彼女たちと一緒に、ご家族と話し合いを重ね、
どのような形で最期を迎えるか、を、決めていきます。

私がかかわった方の多くは、
入院して最期を迎えるのではなく、
自宅で最期まで療養できていました。
現在、多くの人が病院で亡くなっているのに、
自宅で最期が迎えられるのは、
なんて幸せなんだろう、と思ってしまいます。

何人かの最後に立ち会わせていただきました。
みなさんとても良い表情をなさっていて、
本当に安心して最期を迎えられたんだろう、と、
ほっとした気分になったものです。

がんの終末期の患者さんにしても、
老衰の終末期の患者さんにしても、
できるだけ自宅で過ごさせてあげたい。
確かに共働きで、というと難しいのかもしれませんが、
自分も家にいるのが好きだから、
自宅で落ち着いて最期が迎えられるようにしたい。

現代社会では、とても難しそうですけど。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。