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うつと励まし [病気とココロ]


激励禁忌神話の終焉

激励禁忌神話の終焉

  • 作者: 井原 裕
  • 出版社/メーカー: 日本評論社
  • 発売日: 2009/09
  • メディア: 単行本



こんな本がありました。
かなり過激に、今までのうつ病診療についての批判がなされているのですが、
おもしろい本です。

精神科の先生が書いている本ですが、ご自身の診療に大変自信を持っていらっしゃって、
旧来の診療方法に批判的で、でもその批判的な部分は理にかなっている部分で、
まだじっくり読んではいませんが、書いてあることはいちいちもっともなことです。

今まで、うつ病は励ますことをしてはいけない、といわれていましたね。
それは、多くの人がご存じだと思います。
じゃあ、どうするか。

ある高校では、うつ病の診断が下ってしまったら、
みんなが腫れ物に触るかのように大事にして、
「疲れたら休みなさい」とかいってくれて、
積極的に学校を休ませようとするそうです。
じゃあ、みんなうつ病の診断をつけてもらいたくなりますよね。

今の日本では、うつ病といえばみんながいたわってくれる。
仕事は休んでいいし、無理するな、といってくれる。
でも、うつ病の人みんなが、本当に休む必要があるのかといえば、そんなことはない。
励ますのがいけないのか、というと、そんなこともない。

すべてケースバイケースで、
人によって全くやりようが違ってきます。

冒頭の本の著者は、
「自殺をするな、というのも、励ましに入る。これもいけない、というのでしょうか。」
ということを書いています。

私個人の考えでは、以前にも書いたのですが、
うつ病でも励まさないといけないときはある。
励ましが有効であることも多い。
励ましてはいけないひとは、診察すればわかるので、
そのような人は励ましません。
そうでない人は、励ますことがかえって病気をよくすることもある。
声のかけ方で、患者さんは変わる、ということを
医療者は認識するべきだと思います。

うつは、励ましてもいい場合が多いです。
不用意に励まさない方がいいのは確か。

上手に励まし合って、上手に褒め合って、上手に毎日を過ごしていきましょう。

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