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自殺 [病気とココロ]

このところ、ニュースになるような人の自殺が多いですね。
どうしてそんなに自分のことがいやになってしまったのか、
そうなる前に、相談する相手はいなかったのか。
もし、そうなる前に助けの手がさしのべられたら、結果は変わっていたのでしょうね。

先日、長年通院している患者さんのお話をしました。
その同じ日に診察した別の患者さんで、非常に具合が安定しているので、
薬の調整に入った方がいらっしゃいます。
彼女は、心臓がどきどきする、めまいがする、耳が聞こえにくく、耳鳴りがある、などの
症状を訴えていたのですが、適切な薬を飲み、適切なセルフケアで良くなり、
さらに2週間に1度の診察で、色々なことを話していくことで現在はストレス発散。
とても良くなって、本当に喜んでいる方です。

その患者さんが、
「自殺する前に、何で病院に行かないのかしら。」
といわれました。
その方は、自分が病院に行って、良くなったことがうれしくて、
「つらいんだったら、とりあえず病院に行くのがいいと思うんだけど。
治療してなかったのかしら。治療したら良くなるのに。」
と、言われていました。

確かにそうなんです。
つらいなら、とりあえず相談してみなさい。
自分に合う先生を探しなさい。
治療を受けてみなさい。

そうやって、現在は自治体の方でも呼びかけてくれていますが、
それでも入りにくいのが、精神科の病院。
「そんなところに通っているのは、きちがいに違いない。」
というレッテルを、下手すると貼られてしまいます。
だから、日本人は、精神疾患を隠したがり、
精神疾患の治療を受けていることを決してオープンにはしません。

このような社会的風潮が、自殺の食い止めを阻んでいます。
そして、うまく治癒しないのも、これらの社会的風潮のためかと思います。

そこで登場するのが、心療内科。
本来であれば、『精神科』で診るべき疾患も、
みんな心療内科に…
内容はどうであれ、精神科に行くよりも、
心療内科の方が外聞がいい。
実のところ、現在の日本の心療内科の多くは精神科の医師によるものなので、
厳密には心療内科ではないと思いますが。
しかも、心療内科も一般的になってきたので、
みんながどんな科だかわかるようになってきて。
ますます通院しにくくなっています。

うちのクリニックは、基本的に内科がメインなので、
心療内科とは言っても、通院しやすいようです。
かくいう私も内科の医師なので、
精神科の医師とは治療方針等が少し異なるかもしれません。
それでも、通院してくださる方が元気になった、
とっても楽になった、といってくださるので、
間違ったことはしていない、という自信がもてます。

自殺は、その人にとってはそこですべてが終わってしまいます。
しかし、周りの人にとっては何も終わらない。
自殺をすれば、その人にとっては見かけ上終わりが来て、楽になるかもしれない。
でも、本当にそうなのか。
非常に疑問が残ります。

気分的にすごく落ち込んでいるのなら、信頼の置ける人に、
病院でもいいと思います。
是非とも相談してみてください。
1人で悩まないで。
話すだけでも楽になります。

この世に生を受けてきた以上、生きていく責任があると思います。
よりよい生を生きていただきたい、そう願ってやみません。
そのための、ちょっとしたお手伝いができれば、幸せです。


このブログを読んでくださっている方の中には、
いつも悩みを抱えていらっしゃる方がきっと大勢いらっしゃるのでしょうね。
ぜひ、コメントください。
微力ながら、お力になれれば、と思います。

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