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治療の段階 [治療について]

治療は、患者さんとの合意の基、進めていきます。
使う薬、期間、使い方、すべて患者さんと相談しながら進めます。
ただし、今必要である治療法について、いくつか提案させていただきながら、
その中で治療を選択していきます。

まず、患者さんに
「どういう目標で治療しますか」
という点を明確にしてもらいます。
結局、どれだけ良くなりたいのか、なりたくないのか。
それがとても大切です。

ストレスによる病気、と考えられる場合、
そのストレスを回避し、神経を休ませてあげる期間が必要です。
その間は、休むことが主体なので、
あまり色々言わないようにしています。
薬は、この時期に開始するものが多いので、
それぞれの長所、短所を明確にして、
何を使用するかを選択します。

薬の効果が安定し、休養もとれてくると、回復期から安定期に入っていきます。
この間は、少し症状が不安定になることもあるので、
その症状に応じた診察計画を立てます。
症状が回復して、安定してくれば、その状態をキープしていきます。
約6ヶ月そのままの状態をキープします。
この間は、薬をしっかり飲んでいただきながら、
経過観察を行います。

また、この期間は、セルフコントロールを習得する時期でもあると思います。
少しずつ、どうすれば自分が楽に、気持ちよく過ごすことができるか、
検討を加えていきます。
そして、不安になったとき、イライラしたときの対処法を自分なりに覚えます。

6ヶ月安定していれば、いよいよ薬を終了していきます。
まずは、安定剤から。だいたいの場合、この頃までに安定剤は必要なくなっています。
そして、抗うつ薬。
薬が終了し、症状の悪化が認められなければ、治療は終了です。

おそらく、このような段階を踏むのは私だけではなく、
多くの医師がこのようにしていることと思います。
治療の段階によって、外に向けての活動も加えていきます。
緊張の負荷も、必要になります。
緊張から、いつまでも逃げていてはいけません。
対峙してやり過ごすことを考えます。

結局、段階を踏んでいかなければ、
なかなか良くなりません。
一気に良くなることもないし、
逆にこれ以上の細かい段階を設定する必要もないと思います。
進み方は個人差が大きいので、治療期間がどのくらい必要か
はっきりした期間を申し上げることはできませんが、
いずれ、治療は終わります。
治療をスムーズにおわらせるためにも、
それぞれの段階で、患者さんにも努力してもらうことがいっぱいあります。

一緒にがんばっていただけたら、きっと治ると信じています。

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