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良い不安と悪い不安 [病気とココロ]

不安があると、気分が悪いですね。
不安によって、人の脳はストレスを感じます。
常に不安を感じていると、脳のストレスはどんどんたまってしまい、
病気を引き起こしてしまいます。
途中で、何が不安だったか、不安の原因もわからなくなってしまいます。
それでも、何となく不安に感じることが続けば、
脳は疲れてしまいますね。

これが不安神経症、とかうつ病とか。
自律神経失調症も、合併して起こってくるし、
場合によっては、パニック障害も不安が原因。
不安とは、やっかいなものです。

ただ、落ち着いて考えてほしいのは、
今抱えている不安の、
原因がはっきりしているのか、そうでないのか。
そこが、病的な不安なのか、そうではないのか、の
判断基準なのではないかと思います。

先日の外来で、パニック障害の患者さんが来院されました。
彼女は、もうだいぶ良くて、薬を減らす段階に来ています。
今回の診察でも、調子は良さそうで、
表情もくるくる変わり、非常に表情豊かであることがうかがえました。
心配だったのは、早口だと言うこと。
しゃべるのが速いときは、興奮しているのが一般的ですよね。
落ち着いているときに、早口でしゃべる人は、
あまりいらっしゃらないと思います。
だから、ゆっくりしゃべることは、神経を落ち着かせる手段でもあります。

その彼女が、人間関係でちょっとしたトラブルがあり、
不安を感じていたそうです。
そして、その不安が原因で、また病気が悪くなったら…
と、とても心配になったそうです。

ここで、考えたいのが、不安の原因です。
今回のエピソードは、不安の原因がはっきりしています。
その不安の原因を認識することができるのですから、
心配な不安ではありません。

彼女に聞いてみました。
一番つらいときの不安って、何が原因だかわからない不安だったんじゃない?
思い当たったようですね。
確かにそうだった、と。
以前は、何が不安だかわからない不安だったけど、
今回の不安は、原因がわかっているのです。

原因がわかっている不安は、その原因に対して何らかの
問題解決を施せばいいので、怖いことはありません。
怖いのは、なんだかわからないけど、何となく不安で、
不安の原因がわからないから、対処のしようがない。
だから、不安が不安を呼び、病気になる。
その様な不安は、良くないです。

人間なので、全く不安を感じない人はいないと思います。
何かしらの不安を抱えているはずですが、
その不安がどこから来るのか、常に把握していると、
大丈夫なのか、大丈夫じゃないのか、
判断がついていきます。
大丈夫じゃない不安に対しては、
ちゃんと治療を受けることをおすすめしたいです。

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