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頼られる [仕事のこと]

私は、大して力があるわけでもないし、
すごい技術を持っているわけでもありません。
ただ、いつも誠実でありたい。
どんなときも、患者さんには誠実に向き合いたい、
そう思って仕事をしています。

常に、自分のペースではなく、
患者さんのペースで診察がしたい。
そう思ってしまうため、私の外来は遅々として進みません。
そのため、時々患者さんにおしかりを受けます。
「遅い!!どれだけ待たせるんだ!!」
もう、とにかく、お待たせしているのは重々承知しているので、
お名前を呼んで患者さんが診察室に入られると、
ひたすら謝ります。
それから、診察開始です。

私は、患者さんの方に身体ごと向けるようにしています。
真っ正面でお話を伺います。
患者さんによっては、患者さんの方が身体の向きを横向きにしてしまいますが、
多くの場合、向き合ってお話しして、診察します。

お話のきっかけは作りますが、
基本的にまず、患者さんのお話を伺います。
それから、必要な事柄をお伝えします。
アドバイスとか、私はこう思った、とか。
自分の経験を逆にお話しすることもあります。

お話を聞いている間は、カルテが書けないので、
診察が終わり、患者さんが診察室を出てから、
カルテを書いて、処方箋を発行します。

はじめの頃は、薬や治療方針の説明に、
また結構時間をかけます。

こんな診療の方法は、私の場合、
心療内科の患者さんに限らず、みんなに実行しています。
中には、患者さんの方が何も話すことがないために、
血圧を測ると、そそくさと出て行く患者さんもいらっしゃいます。
それはそれでいいと思っています。
それが、その患者さんのペースなのでしょうから、
別にかまいません。

中には、カルテがどんなに積まれていても、
自分の話が終わらない限り席を立たない方もいらっしゃいます。
そういうとき、実は自分の心の中では、焦りがあります。
それでも、よっぽどのことがない限り、急かしません。

だから、文句を言われるのでしょうね。
でも、私にとっては、1人1人が大事なので、
1人もおろそかにしたくないんです。

今日、自分の外来から、大学病院に紹介した
抗リン脂質抗体症候群の患者さんが、来院しました。
先日、急性腸炎で来院したのが、久しぶりの診察だったのですが、
(今は全面的に大学病院にお任せしていたので)
なんだか元気がないのが気になりました。

今日は、主たる症状は、両肩痛。
整形外科でMRIまでとってもらったそうですが、
「もう年だから、仕方がない」と言われて終わるそうです。
つらい、と訴えられておりました。
湿布を出されて、あとは様子を見て、ということでした。

とにかく、肩こりがひどい、
全身の筋肉が硬直している。
温めること、ストレッチをすること。
すごい運動はいらないけど、からだは動かさなきゃ。
そんな話をして、生活上のアドバイスをしました。

「どの先生も、みんな年だから仕方がない、っていうんです。
でも、痛いのに。はじめて、ちゃんと聞いてもらえました。
やっぱり、私には、先生じゃなきゃダメなんです。」

こんな風に言われて、本当にうれしかった。
これだけで、疲れも軽くなりました。

いつでも、頼られる医師でいられたら、
こんなに素敵なことはありません。
患者さんと遠い立場ではなく、近い立場に立って、
みんなの手助けをしていきたい。
そう、いつも思っています。

(だから、開業医には向かない、って、いつも言われます(^^; )

脳からストレスを消す技術 [セルフケア]


脳からストレスを消す技術

脳からストレスを消す技術

  • 作者: 有田 秀穂
  • 出版社/メーカー: サンマーク出版
  • 発売日: 2008/12/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



この本を読み始めています。
著者は精神科のお医者さんらしいです。
東邦大の教授だそうです。

色々、目から鱗です。
「ストレスに、人間は勝てない」
「ストレスに勝とうとするから、ストレスをやり過ごせない。」
「セロトニンがストレスにより減量。それによって、病気が引き起こされる。」
「セロトニンケアをすると、元気になる。」
涙を流すこと、笑うこと、身体を動かすこと、太陽の光を利用すること。
規則正しい生活、正しい姿勢。
人間の、生きる力を引き出すために、どうしたらいいか、
かなりわかりやすく書いてあります。

この本がすべてではありませんが、
一度読んでみると、
なんか肩から力が抜けます。
おすすめの1冊です。

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