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安定剤の使い方 [治療について]

眠れない、すぐに不安になる、いらいらする、などという症状を聞くと、
結構安易に安定剤が処方されます。
確かに、即効性はあるし、効果覿面なので、
どうしても出したくなるし、使いたくなる。
でも、一方で、患者さんの中からは、
「こんな薬使っていて、大丈夫なの?」という疑問も聞こえてきます。

安定剤も使い様だ、ということは、以前にも書きましたが、
その使い方を詳しくお話ししないまま、薬を処方している医者が多いのも現実です。
不安になりながら、抗不安薬=安定剤を内服するのは、
矛盾していると思いませんか?
できることなら、納得した上で安定剤を正しく使用するのがいいのですが、
現在の診療体制では、そこまで望むのは難しいのでしょうか。

私は、患者さんと面談するとき、薬についても説明をかなりしつこくしています。
それは、患者さんが自分がどんな薬を使って、どんな治療をするのか
ある程度理解していただいてから、納得、同意を得た上で治療をしたいからです。
そうでないと、せっかく出した薬も、効果が半減してしまいます。
安心するために薬を出しているのに、
かえって不安にしてしまっては、治療にならないからです。
薬の効果を最大限出すためには、薬を使うことに納得していただく必要があると
私は思っています。
お互いに、薬を使うことに同意をして、薬を信用していただかないと
せっかく治療していても、良くならない、ということが生じてきます。

薬は、必ずしも身体にいいものではないのはわかっていますが、
必要な時期、というのはあります。
風邪を引けば、風邪薬を使って、症状を軽くしたいと思うでしょう?
安定剤も同じことで、いらいらや不安感が強いときには
薬が必要な時期だと認識していいと思います。
逆に、症状が取れてきて、薬を飲み忘れるようになってきたときには、
身体が「もう薬はいらないよ~」と言っているのと同じなので、
くすりのやめ時なのだと思います。

抗うつ薬は、ある程度やめ方等もこちらで指示した方が
リバウンドを起こしにくいと思いますが、
安定剤に関しては、患者さんのペースでやめていただけるものだと考えています。
自分の精神状態と相談しながら、無理のないペースでやめていく。
ただし、少しでもおかしいと思ったら、無理せずに薬を少量でも使用する。
失敗の無いように注意しながら、やめていく。
ここで言う失敗とは、パニックの発作だとか、いらいら感の発作だとかです。

薬で悩んでいらっしゃる方は多いと思います。
できることなら、納得いくまで主治医に説明を求めてみてはいかがでしょうか。

薬は大切です。安定剤も大切です。
使わなきゃいけないときは、しっかり使っていただきたいと思います。


ご意見等ありましたら、コメントいただけますとうれしいです。

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